いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第8章 ヨコハマギヤングスタアパラダヰス
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その頃敦達は、依頼人の案内で
裏路地のような処に来ていた
「……着きました」
「なんか…鬼魅の悪い所ですね」
「…おかしい、本当に此処なんですか?ええと…」
「樋口です」
依頼人の樋口は背を向けたまま
言葉を被せた
「樋口さん、無法者と云うのは臆病な連中で…大抵取引場所に逃げ道を用意しておくのもです。でも、此処はホラ、捕り方があっちから来たら逃げ場がない」
「…その通りです。失礼とは存じますが嵌めさせて頂きました。私の目的は、貴方がたです。」
樋口の言葉を聞いて、
敦達の表情は青ざめる
樋口は自身の髪を結いながら
携帯を耳に当てた
「芥川先輩、予定通り捕らえました」
「芥川…だって?」
芥川…
“こいつには遭うな、
遭ったら逃げろ”
敦が先程国木田に言い聞かせられた名前だ
「我が主の為、ここで死んで頂きます」
「こいつ…」
「ポートマフィア…!」
敦達がそう気付いた時には
樋口を両手に銃を構えて
引き金を引いていた。
銃弾の先にいた谷崎を
庇うように立ったナオミ、
目の前で妹が銃で
撃たれた姿を見た谷崎は
一瞬で目つきを変えた
「細雪」
谷崎の異能は、
雪の降る空間そのものをスクリーンに変える
「こいつはボクが…殺す!!」
谷崎が樋口の背後に周り、
両手で首を掴んだ
これで終わりだ!!
そう思った矢先、
突然、谷崎はその場に倒れた
背後から刺されたように
背中から腹にかけて、血が滴る