いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第7章 或る爆弾
爆発する!!!
誰もがそう思ったその瞬間、
この場所では何も起こらなかった
あれ…?
と違和感を感じた敦は顔を上げると
探偵社の人達が
何事もなかったかのように立っていた
「やれやれ…莫迦とは思っていたがこれ程とは。自殺愛好家の才能があるね彼は」
『自殺愛好はしてないと思うけど』
あはは、と
呑気に笑っている太宰と沙羅
敦は訳がわからず困惑する
「へ?……………え?」
「ああーん兄様ぁ大丈夫でしたかぁ!?」
「痛っ!?いい痛い痛いよナオミ折れる折れるって云うか折れたぁ!」
今度はさっきまで
人質だった少女が
爆弾魔の筈の人に抱きついた
「………………へ?」
そして敦はもっと困惑する
「小僧。恨むなら太宰を恨め、もしくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」
「そう云う事だよ敦君、つまりこれは一種の入社試験だね」
「入社…試験?」
「その通りだ」
とその時、
隣の部屋から1人の男がやってきた。
「社長」
「しゃ、社長!?」
武装探偵社社長
_______福沢諭吉
能力名“人上人不造”
「そこの太宰めが「有能なる若者が居る」と云うゆえ、その魂の真贋試させて貰った」
「君を社員に推薦したのだけど如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか社内で揉めてね…で、社長の一言でこうなったと」
「で社長…結果は?」
「…太宰に一任する」
福沢はそれだけ伝えると
出てきた部屋の方へ帰っていった
「合格だってさ」
「つ、つまり僕に斡旋する仕事って言うのは此処の…?」
太宰と沙羅は視線を交わすと
ニコッと微笑みながら
声を揃えた
『「武装探偵社へようこそ。」』