いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第6章 人生万事塞翁が虎。/ 闇と光
『全く…何かあったら取り敢えず銃を構える、みたいなのホント嫌いなんだよねぇ…これが一般人だったら大迷惑だよ』
沙羅は
銃なんて視界に入っていないかのように
堂々と前へ歩み寄る。
「一般人だったら…という事は、貴方は一般人ではないのですか?」
沙羅が黒服集団に近寄ると
集団の中心から1人の金髪の女性が
銃を構えたまま一歩前へ進んだ
『まー…一般人だったらまずパニックになるよね』
銃を向けられても
全く動揺を見せない沙羅。
「………貴方は、もしや_________」
それを見ていた集団の中にいた銀髪の男が
何かを言いかけた時、
「銃を下ろせ」
と、集団の後方から
1人の男が中央へ歩いて来た
「芥川先輩!?でも、何故…?」
彼の名は、芥川龍之介
そして、この場にいる黒服の集団は
ポートマフィア、黒蜥蜴
芥川に銃を下ろすよう言われ、
金髪の女性は構えていた銃をゆっくり下ろした
「その人に目的も無く攻撃するな。この人数で対抗したところで一瞬で殺られるだけだ。」
らしくもない芥川の発言に、
マフィアの面々は少し困惑しているようだった
『ふふ、久しぶりだね。龍君』
「…こんな場所に1人で、何をしていたのですか」
『別に何も?…只、一つ忠告しようと思って』
芥川の事を龍君と呼び、
見知らぬ相手に敬語を使っている、
とても異様な光景に
ポートマフィア一同は
ただ黙って会話を聞いていた
「忠告…?」