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いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第5章 私が選ぶ場所




「君かい私の入水を邪魔したのは」

「邪魔なんて、僕はただ助けようと…、入水?」

「知らんかね入水、つまり自殺だよ」

「は?」


先ほどまで川に流されていたその男は
やれやれと頭を抱えながら言葉を続ける


「私は自殺しようとしていたのだ。それを君が余計な事を…」

「は、はあ…?」


あれ…今僕怒られてる?
何故???
という表情で敦はその男を見た


「まあ、人に迷惑をかけない清くクリーンな自殺が私の信条だ。だのに君に迷惑をかけた、これは此方の落ち度。何かお詫びを__________」


ぐうううぅぅぅ…


ベージュのコートを羽織ったその男が
立ち上がりながらそう言うと同時に
敦のお腹の音が大きく鳴った


「……空腹かい少年?」

「じ、実はここ数日何も食べてなくて…」



これは助けたお礼に
ご馳走してもらえるのでは?!
という期待を抱いた敦だったけど

ぐうううう…

というもう1人分お腹の音が聞こえてきて
その望みは崩れ落ちてしまった



「私もだ。ちなみに財布も流された」



ダメだこの人…
と諦めかけたその時、
川の向こう岸から1人の男が叫んでいた



「おい!こんな処に居ったか唐変木!!」


「おー国木田君ご苦労様」


「苦労は全てお前の所為だこの自殺マニア!お前はどれだけ俺の計画を乱せば__________」


「そうだ君、良い事を思いついた。彼は私の同僚なのだ彼に奢って貰おう」


「聞けよ!!」




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