いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第5章 私が選ぶ場所
「君、名前は?」
「中島……敦ですけど」
イマイチ状況が理解できていない敦は
多少困惑しながら名前を名乗る
「ついてきたまえ敦君。何が食べたい?」
「はぁ……あの……」
敦は少し考えてから、
「茶漬けが食べたいです」
と言った。
彼の大好物、彼が一番食べたい物だ
「はっはっは!餓死寸前少年が茶漬けを所望か!良いよ、国木田君に三十杯くらい奢らせよう」
「俺の金で太っ腹になるな太宰!!」
川を挟んで行われる2人の会話を聞いて
敦は思わず疑問を言葉にした
「太宰?」
「あぁ、私の名だよ。太宰、太宰治だ」
_______これが、中島敦と
太宰治の出会いである