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いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第5章 私が選ぶ場所


−No side−


ポートマフィアビルの最上階
大きな広い執務室の扉を1人の男が開いた



「首領。」



扉を開けたのは、中原中也。

そして、中也が向かうのは
首領、森鴎外の元だ



「君を呼んだ理由は判っていると思うけれど、…沙羅ちゃんの事についてだ」

「…はい」



太宰が行方を眩ませて、
それを追うように沙羅も
ポートマフィアから去っていって

その話がマフィア中に知れ渡るのに、
1日もかからなかった



「君は彼女が出て行こうとしている事を知っていたね?」


「はい。…正直、確証は有りませんでしたが、沙羅が何をしようとしているかは気づいていました」



沙羅の動向に気づいていたのは
中也だけでない
マフィアのボス、森も気がついていた

沙羅が此処から去る前日
やけに急いで残りの仕事を片付け、
夜遅くまで部屋の明かりがついていて
様子がいつもと違っていたからだ



「知っていて止めなかったのは何故かね?」


「沙羅は、笑顔だったから…です」



こんなふわっとした回答で
本当にいいのかと不安になるけど
これは中也の心からの言葉だった


「ふふ…そうか、…中原君も、沙羅ちゃんの事が大好きなのだね」


「だっ…?!」


思っていた返と全然違うものが返ってきたため
中也は動揺してバランスを崩して
一瞬転びそうになった


「まさか私が気づいてないとでも?」


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