いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第4章 君がくれた桜の花
『ん……っ……中也っ…』
私が言葉を言い終わる前に、
もう一度中也が私の唇を塞いだ
さっきの触れるだけのキスとは違う、
何度も何度も角度を変えて
お互いの熱がお互いに伝わっていく
『…んぅっ……!?』
こんな感覚は初めてだった。
中也の舌が私の中に入ってきて、
普通にキスをする事さえ慣れていない私は
頭の中はもういっぱいいっぱいだ
後ろは壁で、顎は中也の手で固定されていて
逃げられない私は自然と中也に身を委ねていた
一見荒々しいキスだったけど
全力で抵抗しようとは思わなくて
驚きはしたけど、嫌じゃなかった
『…はぁっ………』
やっと唇が解放されて目を開けると
中也がじっと私を見つめていて
はっと我に帰った私は視線を逸らした
「…俺は、好きでもない奴にキスなんざしねぇ。全部俺の意思だ。」
『…!!』
改めてそうやって言われると
どう反応すればいいかわからなくて
次第に早くなっていく自分の心臓の音が
私の今の感情を表していた