いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第3章 私がもっと、強かったら。
あの一連の出来事の黒幕は
ポートマフィアのボス、森鴎外だった
安吾が異能特務課だと知っていて
ミミックに潜入させ、
政府機関とも衝突しかねないミミックを
マフィアによって壊滅させる方向へと仕掛けた
その対価に、
“異能開業許可証”を手に入れた______
___________あれから2週間。
『はぁ……もう、なんで治の仕事を私がやらなくちゃいけないの!』
沙羅は何故か太宰がやるべき
書類整理の仕事をやらされていた。
『しかも、突然居なくなるとかホントありえないっ!』
ドサッと勢いよく
太宰の残して行った大量の書類を
机の上に叩きつける。
_____________あの日、
織田作が亡くなった次の日から
太宰は突然姿を消した。
何処で何をしているのか、
それは誰にも判らない
『………何も言わずに居なくなるとか…あり得ないからっ…』
そっとソファーから立ち上がり、
執務室の大きな窓ガラスの前に立つ
外を見れば、ヨコハマの綺麗な夜景が
視界一面に広がっていた
この広い世界で、たった1人
この場所に取り残されたみたいに
《ガチャ》
後ろからドアの開く音が聞こえて
振り返ってみれば、
そこには中也の姿があった