いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第2章 戻れない場所
長いようで短い沈黙の末に
安吾がもう一度口を開いた
「太宰君、沙羅さん、織田作さん。いつか時代が変わって、特務課もポートマフィアも無い、我々がもっと自由な立場になったら…また此処で______」
その言葉は、
織田作によって遮られる
「言うな、安吾」
太宰も沙羅も、
何も言おうとはしない。
「それ以上言うな。」
織田作のその言葉を最後に、
安吾はそっと立ち上がると
下を向いたまま無言で店の外へ出て行った
カウンターのテーブルの上には
安吾が残していったグラスと、
一枚の写真。
4人で並んで撮った、
最後の写真
『………。』
沙羅はその写真をそっと手に取ると
どこか寂しそうな表情で
ただ黙って見つめていた。