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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第209章 209




呟きながら頬に触れる龍之介の手をそっと撫で、そのまま抱き着く。

「そういえばさっき刑事さんから電話あって、告訴しますか?って」
「しよう。ちゃんと罪を償って欲しい。本音を言えば、ずっと出てきてほしくないけど」
「うん、そうだね。接近禁止命令?とかいうのもお願いしますって返事しとく。さて、お粥で良い?沖縄そば?」
「沖縄そばも食べたいけど、ちょっとしんどいかな」
「ふふ、だよね。お粥作るね」

頷きそっと口付けようとすれば、大きな手のひらで口を塞がれる。
一瞬先日の事件を思い出すが、恐怖を感じないのは龍之介の香りがするから。
龍之介の香りを感じるだけで、は安心できるらしい。
それでも、口付けを遮られたことにお姫様は頬を膨らます。

「、風邪移っちゃうから」
「私が風邪ひいたときは遠慮なくキスしたくせに」
「う…でも俺は移らなかったよ?」
「私だって移らないかもしれないじゃん。じゃあ、こっち」

膨らませた頬を戻し、ならば、と微笑み額に口付ける。
唇が離れ龍之介を見れば、何やら物足りなさそうな顔。
なんなら唇が、若干拗ねたように尖っている。

「……して欲しいんじゃん」
「でも我慢する。移したくない」
「ふむ…龍くんは優しいなぁ。でも、ごめんね?私、龍くんのことに関しては我儘なの」
「んっ、こら…ん…」

隙ありとばかりに口付け、抗議の声を上げた唇に舌を割り込ませる。
唇を閉じようとする龍之介だが、それも一瞬。
すぐにの口付けに応え始めた。

「ぁ、ん…ん~っ愛してる」
「も…移ったらどうするの。明日から仕事なのに」
「這いずってでも行くよ?でも、それよりも龍くんにキスしたいの」
「…そんな可愛い事言ったら…」
「ふふ、もっとする?」
「………」

悩んでいる。すごく悩んでいる。
もはやこの苦悶の表情は葛藤していると言ってもいい。

「りゅーくん」
「したい。でもに風邪移したくない。でも…あぁ、ダメだ。好きだよ、」
「きゃあ!ん…ん…っ」

を抱き寄せ、身を起こして華奢なの身体をベッドに沈める。
ここまでにしないといけない。
そう思いながらも、を愛してやまないその身体は龍之介の理性などあっという間に搦めとって、口付けを深める。

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