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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第208章 208




そのまま彼はの様子を事務所と寮に知らせるために、お見舞いの王様プリンを置いて帰路についた。

「…おかえり。よく頑張ったね」
「天…」
「マッジで、無事でよかった…すげぇ心配したんだぜ?」
「楽…」

二人からワシャワシャと頭を撫でられ、は頬を綻ばせ嬉しそうに笑う。
その笑顔に、天と楽のみならず、龍之介も心からの安堵を覚えた。

この笑顔を失わずに済んで良かった。
これからも、何があってもこの笑顔を守ろう。

そう改めて決意するに、十分過ぎるほどの笑顔である。

「自力で脱出したんだって?」
「うん…結局顔に痣作っちゃったけど」
「お馬鹿さん。本当に心配したんだよ?」
「ごめんなさい」
「…それでも、よく頑張りました」
「天…ありがと」

そっと頭を撫でられ、は涙目になりながら微笑み頷く。

「龍も、大変だったな」
「の大変さに比べたら何でもないよ。気持ちは大変だったけどね。怖くて、寂しくて、辛かった」
「龍くん…」
「その分、今こうしてがここに居ることが凄く安心できる。愛しくて仕方ない」

の頭を撫でながら、龍之介はそっと微笑む。
そこに響くノックの音。
続いて開いた扉から、昨夜の刑事が入って来た。

「刑事さん…」
「昨夜はお休みになれましたか?」
「はい。彼もいてくれたので」

の返答にそれは良かった、と頷き、刑事は天と楽を見た。

「できれば、外で待っていただいても?」
「天も楽も、私の大切な人たちです。一緒に聞かせてください」
「…では。昨夜遅く、鳳響也、山内三重の両名を逮捕しました。山内は実家に身を隠していたところを、鳳は…」

そこで言葉を区切る刑事に、と龍之介は顔を見合わせる。

「鳳君は…?」
「この病院の前で、確保しました」

思わず、ぞっとした。
や龍之介のみならず、天と楽も表情を強張らせる。
が匿って貰っていたキャバクラから一番近い夜間救急があるのは確かにこの病院だ。
けれど、入院することは診察を受けてから決めたことであり、関係者以外知る由もない。
様々な憶測を立て、警官がいることも承知でここまで来たのだろうか。

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