君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第208章 208
翌朝、差し込む光と共には目を覚まし、ふと隣に目を向ける。
ベッドに腕と頭を乗せてすやすやと眠る龍之介の姿に頬が綻ぶが、このままの格好で寝かせてしまったことを申し訳なく思う。
「龍くん、起きて」
「ん……おはよ」
「おはよ。体痛くない?」
「うん、大丈夫だよ」
にこりとした笑みの龍之介の頬を撫で、そのまま髪を撫でる。
「良かった」
「は?よく眠れた?」
「うん。龍くんが傍に居てくれたから」
の言葉にそっか、と頷き龍之介はそっとの頬を撫でる。
「」
「ん?」
「愛してる」
「私も愛してる」
おはようと共に交わすいつもの言葉。
幸せそうに微笑み合い、二人はそっと口付けを交わす。
「!!」
「?!」
「っと…すまん、邪魔した」
「邪魔じゃない!邪魔じゃないよ!びっくりしたけど!」
唇が合わさった瞬間、ノック無しでシャーーと扉が開かれ、天と楽、万理がなだれ込んできた。
驚きが目を丸くする中、龍之介は手を左右に振り大丈夫だと苦笑する。
「…無事でよか…無事じゃない!!!ほっぺ!!」
「骨は折れてないです。痛みも少ないし腫れもないので、今日の昼からの撮影出ます」
「今日の撮影は休みにしてもらったよ」
「へ…?」
万理の言葉に、は意表を突かれたように抜けた声が出てしまう。
「昨夜、高熱で一晩緊急入院することになりましたって伝えたら、今日は他のキャストも揃ってるし、の出番がないシーンを先に撮るから大丈夫って監督から言われたよ」
「そうですか…」
「明日はオフの予定だったし、二日間ゆっくり休んで、少しでも心落ち着けて」
「はい。お気遣いありがとうございます、万理さん。心配かけてごめんなさい」
ぺこりと頭を下げるに、万理はそっと微笑みの頭を撫でる。
「俺は君のマネージャーなんだから、心配するのは当然。でも迷惑だなんて思わない。兎に角、帰ってこれてよかった」
「万理さん…」
「今は十くんに目いっぱい甘えて、二日間休んで、また素晴らしい演技を見せて」
「…はいっ!ありがとうございます。頑張ります!」
深く頷き拳を握るに、よろしいと微笑む万理。