君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第207章 207
まだ犯人である鳳は捕まっていない。
警察官が部屋の前に居てくれるが、やはりを一人にはできない。
「…龍くんに合うベッドあるの?」
ソファはあるが、龍之介の身長では狭い。
簡易ベッドでも頼むべきか。
そんなことを思っていれば、看護師が二人の元へとやって来た。
「さん、少し脱水の症状があるので点滴しますねー」
「てんてき…」
看護師の言葉に、が固まる。
「?」
「…針怖い…」
「………どうしてもしないとだめですか?」
甘々か。
ふるふると首を振るが忍びないのか、龍之介は看護師にそう問いかける。
「そうですねぇ…やっておいた方が回復が早いですけど」
「、看護師さんもこう言ってるし」
「う~~はい。…龍くん、点滴刺さるまでぎゅーして」
「うん、顔隠してて。ずっと抱き締めてるから」
甘々か!
腕を差し出し、顔を龍之介の胸に埋めるは何とも愛らしい。
でれでれな龍之介に苦笑しながら、看護師はの腕を見る。
「血管細いですね…一回で入るかな…」
「ひぃん」
「頑張りますね!」
消え入りそうな小さな悲鳴が聞こえ、同性ながら思わずきゅんとしてしまう看護師。
念入りに腕の血管を調べ、何とか一発で針を刺すことが出来た。
「…よし、入りましたよ。二時間くらいで終わりますから、またきますね」
「ありがとうございます。、ほら横になって」
「はーい。痛くなかった!」
「うん、看護師さん凄いね。もよく頑張りました。良い子」
「んふふふ」
そっとをベッドに寝かせ、額を撫でれば嬉しそうな誇らしげな笑みを向けてくる。
「さ、夜も遅いし、そろそろ寝よう」
額に口付け、眠るように促せば、さすがにこれまでの疲れが出てきたのか、はスッと眠りについた。
しかし、約二時間後。
「龍くんっ」
「?!」
突如揺り起こされ目を空ければ、恐怖におののくの顔。
何事かと起き上がれば、はバッととある場所を指さした。