君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第207章 207
「点滴終わっちゃう!!」
「え?」
「点滴!終わったら空気入ってきて死んじゃう!私死んじゃう!」
「、落ち着いて!ね?」
「だって!」
「最近の点滴は、ちゃんと空気入らないように出来てるから」
「……え?」
「俺も仕組みはよく知らないけど、大丈夫。看護師さんも呼ぶから。ね?」
その後ナースコールで看護師を呼び、無事点滴の針を抜いてもらった。
「…ごめん、龍くん。大騒ぎして起こしちゃって…」
「大丈夫。ちゃんと終わったの伝えられて偉いね」
「…えへへ。うん!」
どんだけ甘やかしてんですか。
と、点滴を抜きに来た看護師は二人を見て小さく苦笑しながら部屋を去って行く。
「さ、点滴もなくなったし、寝れるかな?」
「……おやすみのちゅーして?」
「~~~~~っっ可愛い…」
いつでもどこでも、この愛らしさの破壊力は凄まじいらしい。
両手で顔を覆い、一悶絶した後、龍之介はにこりと微笑みの頬を撫でた。
「ゆっくり休むんだよ。おやすみ、」
「うん、ありがとう龍くん。おやすみ、愛してる」
誰よりも、何よりも、愛してる。
口付けと共に贈られる言葉は、にとって子守唄のようである。
そっと髪を撫でる優しい掌の温かさに誘われるように、は深い眠りにつくのであった。