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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第206章 206




「うん、だよ。ちゃんと龍くんのとこ帰って来たよ。だから、心配かけたのにわがままだけど…でも、ぎゅってして?もっと、ちゃんと、龍くんの傍に居るって安心したい」
「…ごめん…。そうだ、俺が今するべきことは、を安心させることだったね」

そっとを抱き寄せ、龍之介は頷く。
今一番不安なのも、怒りを抱いているのも、きっとだ。
そしてその不安や怒りを和らげられるのは、龍之介しかいない。

「まだ言ってなかった。おかえり、愛してる」
「ただいま、龍くん。私も愛してる」

龍之介の言葉ににこりと微笑み、は嬉しそうに抱き着いて来る。
ひゅー、と声が上がるのは、盛り上げ上手なキャストがいるキャバクラだからだろうか。
そんな中、申し訳なさそうに刑事が龍之介とに声をかけた。

「お取込み中申し訳ありませんが、さん。怪我も心配ですので病院へ。救急車を手配しました」
「ありがとうございます」
「俺も一緒に良いですか?」
「はい。同乗していただいて構いません。犯人の早期逮捕の為にも、病院で事情聴取をお願いできますか?」
「はい、勿論です。あ、店長さん!ご迷惑おかけしてすみませんでした。本当に、助けていただいてありがとうございました」

キャスト達と共にを見守ってくれていた店長に一礼し、は小さく微笑む。

「あの、私相場とか分からないんですけど…お姉さんたち全員に何か…お礼になるような…えっとボトル?入れて欲しいんですけど…」
「様、貴女は本来ここにいてはいけない方です。まだ17歳ですしね。未成年の方がボトルを入れては問題になってしまいます。それに、困っている人を助けるのは当然の事。お礼などいりません」
「うう…でも、じゃ、じゃあ、ジュースと烏龍茶!」
「……はは、義理堅いお方ですね。ありがとうございます。では…様からソフトドリンク頂きました!」
「「「「「ありがとうございまーす!」」」」」

成人したらまた来てねー!とキャスト達に見送られ、は到着していた救急車に龍之介と共に乗り込む。
歌舞伎町という場所柄、救急車は珍しくもないようで、注目されることがなかったのが救いだ。

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