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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第203章 203




「龍くんは痛いとこ無い?」
「うん。大丈夫だよ」
「良かった…いやもう難しいー」
「僕のパートなら踊れるんじゃないの?」
「えー?天のパートも難しいよぉ」
「まぁ、とにかく…やって」

有無を言わせないその一言に、ははーいと頷きながらスタジオの中心に立ってスタンバイ。
曲が流れ始めれば、を纏う雰囲気がガラリと変わった。

「相変わらず、あの変わりようには驚くね」
「ふだんから可愛いのは変わらないんだけど」
「踊ってるときのアイツ、綺麗なんだよな」
「うん、すごく綺麗…。それに踊ってる時のは演技してる時よりずっと研ぎ澄まされてるって感じがする」
「考えるより先に体が動いてるんだろうね。本能で、どう動いて合視線を向ければ魅了できるかを感じ取れる」

天性の才能なのだろうか、努力の結晶なのだろうか。
どちらなのかはわからない。いや、どちらもあるのかもしれない。
何よりも、なんとも楽しそうにステップを踏むは愛らしさ満点であることは確かだ。

「はぁ…ふぃー…どう?」

一曲踊り終えたは、呼吸を整えながら三人に向き直る。

「すっごく良かった!」
「すげぇ、の一言」
「何で一回見ただけでそんなに踊れるの」
「TRIGGERが大好きだからっ!」

そんな風に笑顔で言われては、緩む頬が抑えられるわけがない。
三人揃って口元を覆って、にやける顔を隠すのに必死である。

「、サビの最初ちょっと踊って」
「ん」

天に促され、曲は流さずカウントでステップを踏む。

「ストップ。そのまま」
「こ、んな一番きついとこで止めんの…?!」
「鬼畜」
「、俺支えようか?」
「だい、じょぶ…!」

ひねりの入った部分でストップをかけられ、身を捩ったままのはそれでもその恰好のままビシッと静止する。

「体幹ばっちり。龍、楽」
「なに?」
「なんだよ、が捻じれる前にさっさと言え」
「二人とも、これくらい体捻れる?」

天の言葉に、龍之介と楽は顔を見合わせる。
相当体を捻っているが、あの激しいダンスの中ここまでしっかりと捻るのは難しくは無かろうか。

「ゆっくりしたテンポやステップなら出来るけど、次の振りを考えちゃうとここまでは俺難しいかも…」
「俺も」

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