君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第201章 201
「…うん、良かった…」
「炎上しなくて?」
「じゃなくて…それもあるけど。それよりTRIGGERを信じてたファンの子達が、信じてるってまた言えるようになって」
「…」
「TRIGGERが悪いって、悪だって、周りが決めつけ始めた中で、例え本当に信じてても口に出すのって怖いと思うんだ。それでも信じ続けて、待ち続けて…こうしてやっと声に出せるようになった。そのアシストが少しでもできたのかなって…だったら、嬉しいなって思ったの」
彼女たちは自身のファンではないだろう、きっと、TRIGGERのファンの中にはをよく思わない人だっていることは解っているだろう。
けれど、それでも、TRIGGERのファンが喜ぶことをも素直に喜び、幸せそうに笑う。
そんなが愛しくて、可愛くてたまらない。
「…」
「ん?」
「ありがとう。本当に…」
「ありがとうは、ファンの子達に」
「も俺たちのファンでしょ?だから、まずに、ありがとう。そして、俺の一番大切な君に、愛してる」
「ずっと、応援し続けたいって思わせてくれるTRIGGERでいてくれてありがとう。大変な中、私を突き放すことも出来たのに、傍に居させてくれて、ありがとう」
何よりも、誰よりも、愛してる。
いつもなんて幸せそうな笑顔を向けてくれるんだろう。
この笑顔をいつまでも見ていたい、守りたい。
何を捨ててでも、この子の傍に居続けたい。
「続きは帰ってからって言ったけど…」
「うん?」
「もう、今しちゃう」
「ん…えへへ、嬉しい」
そっと顎を掴まれ唇が降ってくる。
柔らかな口付けを返せば、離れた唇の代わりに指でなぞられた。
「リップ、落ちちゃったね」
「もう帰るだけだから大丈夫。龍くんの唇はちょっとピンクになってる」
くすくす笑いながらもまた龍之介の唇をなぞり、映ってしまった色を拭う。
そのまままた口付ければ、互いに合わさった唇から笑いが漏れた。
「俺たち、こうし始めると長いよね」
「離れがたくなっちゃうの。愛し過ぎて」
「お互いがそう思っちゃうんだよね」
「ホントそう。…あ、でももう帰らないとママが怒ってる」
「ママ?」
「天」