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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第201章 201




手の中で震えたスマホを見れば『なんで僕の方が先に帰ってるの?早く帰って来なさい』という天からのラビチャ。
龍之介もそれを見れば、苦笑を浮かべて頷いた。

「帰ろっか」
「うん」

ようやくエンジンをかけ、二人を乗せた車は駐車場を後にする。

「長すぎ」
「いちゃつき過ぎ」
「みなさんは覗き過ぎですよ」
「リュウ兄貴うらやますぎ」
「タマはが好きだなぁ」
「ちゃん、可愛いからね。でも環くん…」
「わーってるっつーの!」

そんな二人を陰から見守っていたIDOLiSH7の皆さん。
より一層疲れた表情で互いに顔を見合わせたのであった。

「明日はオフだけど、忙しくてさぼってた掃除とかしないとなぁ」
「俺も手伝いたいけど、明日は打合せがあるんだよね…」
「頑張ってね。私は、ゆっくりやろっかな」
「体休めながらね」
「うん、明日は無理しないつもり」

ならばよし、と頷く龍之介は更に車を走らせ自宅マンションへと辿り着く。
の荷物を車から降ろし、の手を取り微笑む。

「あ、荷物ありがとう」
「これくらい何でもないよ」

見上げてくるの額に口付け、まず向かうのは龍之介の部屋である。
天と楽がの帰りを今か今かと待ち構えているだろうことを想像し、龍之介が表情を緩めていればは首を傾げながら彼を見上げる。

「ん?」
「何考えてたの?」
「天と楽がどう迎えるかなって思って」
「怒ってるかもよ?帰り遅くて」
「のことワシャワシャにするかもよ?」
「それは幸せだけども」

くすくす笑い合いながら龍之介は繋いだ手はそのままにの頬を撫でる。

「お腹空いた?」
「うん!ケータリングとか来てたけど、中々食べる暇なくて」

思い返してみれば、は夜に出ない分千や百が裏で休んでいる間の代打でステージに立っていることが多かった。
メイク直しの間にゼリー飲料などはとっていたがしっかりとした食事を取った記憶は遥か彼方である。

「だよね。本当によく頑張ったよ。天と楽が何か用意してくれてるから、早く部屋戻ろ」
「嬉しい!なんかめっちゃお腹空いて来た!」

それは何よりだと龍之介は微笑み、の頭を一撫でして帰宅を促すのであった。

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