君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第200章 200
通り過ぎる誰もが、と龍之介の姿を目にしていた。
「花巻すみれはやっぱガセかぁ…あの噂も怪しいもんな」
「もう、彼女との話信じてる奴いるのかな」
「ちゃん、可愛いモンなぁ…気が利くし、俺らにも丁寧だし…」
そんなざわめきは聞こえてくるが、も龍之介もお構いなしである。
流石に抱き合うのは控えたが、寄り添い合ったまま微笑みを交わしていた。
「俺も結構フラフラだから、迎えに来てもらえて有難いよ。十くん、助かった。ありがとうございます」
「いえ、俺の我儘みたいなものですから!大神さんもお疲れ様でした」
ぺこりぺこりと頭を下げ合うマネージャーと恋人にもまたお疲れ様でした、と一礼し微笑む。
「さて、帰りの支度は出来てる?」
「うん。あとはあいさつしながら帰ろっかって万理さんと…」
「じゃあ…俺先に車で待ってようかな。あと少し、頑張っておいで」
確かに、挨拶回りに龍之介がついて来るのもおかしな話だろう。
楽屋から駐車場へ向かう龍之介を見送った後、はがっくりと肩を落とす。
「13時間ぶりの龍ぐんんんんんんん…っ!!」
「あと少し挨拶回りしたらまたすぐ会えるからっ」
「はぁい」
あからさまに項垂れるに苦笑をし、万理はを促し楽屋を出る。
まず向かうはRe:valeの楽屋である。
「お疲れ様です。千さん、百さん!」
「ちゃん、おつかれー!バンさんもお疲れ様です!」
「お疲れ様、ちゃん」
「お疲れ様、ユキ、モモくん」
扉を開けばRe:valeの二人が言葉では元気そうだが、眠そうな表情で迎えてくれる。
「さっき龍来てたでしょ」
「はい。先に車で待っててくれてます」
「じゃああんまり引き留められないね。残念」
「おい、うちの女優に手出すなよ」
「お前の大事なお姫様に手なんか出さないよ」
万理と千のやり取りを、百と顔を見合わせながら見守り、さに度挨拶を交わして楽屋を出る。
「失礼しまーす。皆さんお疲れ様でしたー!」
「、お前もお疲れさん」
「俺たち走り切ったなー!疲れたけど超楽しかった!」
「うん!また出られるといいね!」
続いてノックした扉の先にはIDOLiSH7のメンバー。