君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第200章 200
「九条さん、はもうすでに素晴らしい女優です。歌もうまいし、ダンスも魅力的。だから、貴方はただ見守っていけばいい」
「そうかい?僕がもっと素晴らしいアイドルにしてあげられると思うのに…」
「そうかもしれません。でも、九条さんは僕をもっと育ててくれるんでしょう?他の子なんて、見て欲しくない」
天のその言葉に、九条は目を見開き、そしてそうだった、と笑んで頷く。
「僕には君がいる」
「そう、僕がいます。だから、他の子じゃなくて僕を見て」
ほら、行きましょう。
そう言って九条をそっと立たせ、天は歩き出す。
「天」
「うん、遅くなるかもしれないけど、九条さん送ったらすぐ帰るから。ちゃんとに食べさせてよ?」
「そりゃ当たり前だ。けどお前…」
「大丈夫だよ」
心配しないで。
そう告げて、天は九条と共にその場を去る。
「ほんとかよ」
そんな一言を残し、楽もまた帰路につくのであった。
「お疲れ様、」
「お疲れ様でした、万理さん」
一方、控室へ戻ったは、着替えのためにフィッティングルームの中へ。
「今日はこのまま帰る?」
「はい。大人組程ではないにしても、流石にくたくたです」
「それもそうだ、気を張ることも多かったろうしね。メインパーソナリティの無茶ぶりにも頑張って応えたし」
「そこはもう、先輩方にはしっかり応えねばですからね」
くすくす笑いながら着替えを終えたは万理を見上げ頷く。
「万理さんも、24時間お疲れ様でした!今日明日ゆっくり休んでくださいね」
「ありがとう。じゃあ、挨拶しながら行こうか」
「はい!…ん?」
打ち上げは後日の為、今日は支度が整ったものから帰って良いとのお達しである。
も万理も支度を整えいざ帰ろうとしたところに扉がノックされた。
「はい」
「失礼します」
「龍くん!」
「、お疲れ様」
「龍くーんっ」
扉が開き、姿を現した龍之介には嬉しそうに駆け寄り抱き着く。
愛らしい恋人をぎゅうと抱き締めながら、龍之介はそっとその額に口付けた。
「十くん、、ドア閉めてからお願いしたかったなぁ…」
「あ、すみませんっ!」
そうはいっても時すでに遅しである。
開けっ放しのドアから見えるのは多くのスタッフの姿。