• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第200章 200




『24時間続いたチャリティテレソン、FriendsDay。皆さん、楽しんでもらえたかなー?!』
『どんなことがあって、僕たちは歌い続け、ステージに立ち続けるよ』
『だから、もっと、もっと応援してください!』
『またここに立って、みんなと会えるように』
『また会おうね!』
『それじゃあ、またね』

エンディングが流れ始め、パーソナリティメンバー全員でカメラと客席に手を振る。
放送が終わったことを告げる合図がスタッフから送られれば、メンバーたちは客席に手を振りながらステージを降りて行った。

「俺、楽屋行くね。天と楽は?」
「と帰ってくんだろ?俺たちは先に帰ってるよ」
「迎えに行ったらまっすぐ帰ってくるでしょ?軽く何か用意しておくよ」

席を立ちあがる龍之介に続いて、天と楽も立ち上がりながら答える。
なら、とその場を去ろうとすれば、天が九条へと視線を向けた。

「…九条さん?」
「素晴らしい…彼女は、どうしてもっと早く現れなかったんだ」

その言葉に、龍之介たちは三人で顔を見合わせる。
彼女、それを表すのは現状しかいない。
席に座ったままステージを眺め、うっとりと言っても良いようにの消えた場所を見つめている。

「天、あの子はとても君に似ている。完璧で、完全で、何よりも美しい」
「…九条さん、やめてください。は、僕と違います」
「何が違うんだい?惜しむべきは、彼女の心がファンではなくたった一人に向けられている事だけさ」

九条の視線がステージから龍之介に向けられ、天と楽もまた龍之介を見る。

「…あの子は、俺の大切な子ですから」
「なんて勿体ない…嗚呼、君に会う前に彼女に会えていたら…こんな事にはならなかったのに……」
「龍、のとこ行って」
「天…でも…」
「僕が九条さんを送ってから行くから」

これ以上、龍之介と九条を居合わせていてはいけない。
そう判断した天は、龍之介へと視線を向ける九条の視線を自らの体で遮り、顔だけ振り向きながら龍之介をの元へと向かわせる。
天の意図を汲んだのか、龍之介は何か言いたげな様子ながらも、わかった、と頷き楽屋へと向かった。

/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp