君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第196章 196
『うーん…そうだなぁ…歌えたらいいなぁ、大好きな曲!』
にこりと微笑み曲名をはぐらかすに、皆揃ってなるほど、とくすくす笑う。
出演者が曲名を言ってしまえば、視聴者がつられてしまうかもしれない。
だから、なるべくメモリアルソングは応募と投票を促すだけにして欲しいと制作側から言われていた。
『投票結果楽しみにしてます!ということで、まず最初のコーナー、行きますか?』
がRe:valeの二人を見て微笑めば、行こ行こー!と百が進行へと戻る。
様々なコーナーや映像、各地からの中継、懐メロの歌唱などをそれぞれのメンバーが楽しみながら、視聴者を楽しませようと笑顔で進めていく。
『それではここで、メモリアルソングの途中経過を発表したいと思います!』
メモリアルソングの担当をしている陸が大和と共に大型モニターへと注目を集める。
ランキングでモニターに表示された中に、一つの名前。
「……TRIGGER…っ」
モニターを見て、TRIGGERの文字をいち早く見つけたは目を見開いてから嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔を逃す手はないと、カメラマンのカメラに抜かれ、全国への嬉しそうな笑顔が放送された。
「まずいな…」
その映像をスタッフルームでモニターを見ていた製作スタッフが呟く。
「え?」
「ちゃんのあの嬉しそうな顔が流れただろ。みんな、視聴者も、なんであの笑顔になったか、分かるだろ?」
「……TRIGGERのランクイン…」
「またあの笑顔を引き出したくて、TRIGGERに票を入れる視聴者も少なくないはず。だが…」
TRIGGERの曲を歌わせることは出来ない。
言葉に出されることは無かったが、そう思っていることはよくわかる。
「もし、このままTRIGGERが一位になったら…どうするんですか?」
「……わからん」
そんな会話が繰り広げられていたことはまだ知らず、はデビュー曲がデビュー日と同じ数字のランキングに乗っていたとのことで、自らのデビュー曲をIDOLiSH7と共に歌っていた。
『ありがとうございましたー!』
『この曲超カッケェけど、ダンス超ハードだな!』
『私も始めて練習した時は筋肉痛になったよー!みんなも踊ってみてね!』