君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第196章 196
『よーし、それじゃあOP!いっくよー!』
が元の位置に戻ったところで百の掛け声を合図に曲が鳴り始める。
みんなで作った曲。
誰もが楽しめるように、誰もが元気をもらえるように。
そんな願いを13人で作り上げたこの曲。
しんどくても、顔を上げて周りを見ればいい事だってある。
たった一曲。それでもこの思いは無限大に詰まっている。
「…うん、良い曲だね、やっぱり」
「だな。会場で歌いたかったな」
「そうだね。それにしても…可愛い…」
龍之介のマンション。
テレビの前に三人で座り、画面を見つめる。
龍之介は画面の中のに釘付けである。
「可愛いな」
「ペアリング付けてるけどいいの?」
「俺たちのネックレスもちらっちら見えてるけど、良いのか…?」
流石に指輪は隠せないが、Tシャツの下にネックレスを忍ばせている。
しかし、ダンスでネックレストップがちらちらと見えてしまっている。
もう忍んでいない。
「カメラさんが抜いてるのを中のスタッフさんが止めてないなら良いんじゃないかな」
「だといいんだけど…」
「俺たち、あのネックレス収録でも付けてることあったからな。ファンにはわかるかもしんねぇぞ」
「おねだりに負けた僕が言う事じゃないけど…心配」
子猫のように目を大きくし、潤ませ、胸の前で手を組み、お願いと小首を傾げながら言われたら、その首からネックレスを外さざるを得ない。
楽も同じ手を食らったようで、隣でうんうんと頷いている。
そんな二人に苦笑し、龍之介もまた頷いた。
「TRIGGERもステージに連れていくって、言ってたからね」
「でも、僕と楽のネックレスしかつけてなくて、という事はペアリングの相手は龍なんじゃって…一気に熱愛報道加熱するんじゃない?」
「そうだろうな。何となく暗黙の了解になってるらしいけど…」
「俺は否定しないつもりだよ。とはいえ、小鳥遊事務所の方針次第だけど…」
苦笑しながら呟いていれば、OPを歌い終えた一同が観客に手を振る。
『さて、今回のFriendsDayではメモリアルソングを募集しています』
『皆さんの思い出の曲を、是非教えて下さい!』
『年代、ジャンル問わず、沢山の応募、投票、お待ちしています!』
『ちなみには?』