君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第194章 194
危険なことも、何かあったら色んな方面に迷惑をかけることも、分かっていた。
それでも、早く龍之介に会いたくて、TRIGGERが無事帰ってくる姿を見たくて、空港に向かった。
万理に相談すれば、のハードスケジュールに付き合いながら事務仕事もこなさなければならないのに車を出そうとするのもわかっていた。
だから、黙って行った。
全て、こうなる事が分かっていながら起こした自分の行動の全てが昨日龍之介の怒りとなって降りかかっただけだ。
それでも、やはり龍之介を怒らせてしまったことに深く後悔し、自己嫌悪で泣いてしまったのは事実だが、それも自分勝手な我儘である。
「…」
「本当に、ごめんなさい。心配かけて…なのに、来てくれてありがとう」
「俺も、ごめん。晩ご飯ありがとう、嬉しかった」
まだ、俺食べてないけど…と苦笑する龍之介には目を見開き首を振る。
「ダメだよちゃんとご飯食べなきゃっ!ほら、部屋戻って」
「じゃあ、も行こうね」
「私はもうすぐ仕事だから…」
「ヨーグルトひと口」
「う…」
昨晩の夕飯を呟かれ、思わず口ごもってしまう。
食べなければと思いつつ、どうしても食欲がわかなかった。
それでも何か口にしないといけないとヨーグルトを出したはいいものの、一口でギブアップであった。
「一緒に食べよう。ね?」
「…いいの?」
「当たり前じゃないか。一緒に食べよう?」
龍之介の言う、当たり前。
その一言が、どれだけ当たり前でないか身に沁みてわかった。
瞳を潤ませるの頬を拭い、そっと抱きしめる。
「怖かった?」
「ううん…怒らせて、申し訳なかった…」
「うん…ごめん。もう怒ってないよ、」
抱き締めることも、こうして心を通わせることも
当たり前じゃない
「」
「龍くん」
「愛してる。それだけは、絶対に変わらないから」
「…っうん、私も…愛してる」
だから、互いを大切に思って、考えて、日々を過ごしていかなければならないのだと、改めて思い知らされた。
「朝ご飯、俺の部屋で食べようか。天も楽も心配してたから」
「うん。龍くんもちゃんとご飯食べないとだもんね」
申し訳なさそうに頷くの頭をそっと撫で、龍之介は小さく笑う。