君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第192章 192
だが、たったこれだけでも、TRIGGERが今も活動していることを伝えられたに違いない。
八人で、良し、と目配せし、それぞれの出番を終えた。
『それではここで、福岡でライブを開催中のRe:valeのお二人をお呼びしましょう!』
司会者の言葉に、IDOLiSH7とは背後の大きなモニターを見上げる。
『こんばんはー!』
『こんばんは。Re:valeです!』
そこに映った百と千。
今日は新曲発表という事で、二人の衣装も未だ見たことのないものだった。
『それでは早速曲をお願いします!』
『はい。それでは聞いて下さい。Re:valeで「太陽のEsperanza」です』
少しの会話の後、二人が曲名を披露すれば曲が流れ始め、はじっと彼らを見る。
「新曲カッコいい…。龍くんたちも見てるんだよ、ね…え?」
曲とダンスに魅入っていれば、画面が引いてバックダンサーが現れる。
途端、は口元を手のひらで覆い目を見開いた。
見覚えのある後ろ姿の三人。
「TRIGGER…!」
紛れもなく、天と楽と龍之介だった。
軽やかなステップで、Re:valeの曲に合わせてTRIGGERが躍っている。
久しぶりと感じる程に画面に映るTRIGGERは、バックダンサーだろうと何だろうと輝いていた。
「良いことって…龍くん…」
出かけ際に言っていた龍之介の良い事。
それはこれなのだと、は涙を瞳に溜めた。
「やってくれるぜ、先輩方」
「TRIGGERが躍ってる…やっぱかっけぇ」
「Re:valeもやってくれるな。なんか、泣けてきた」
「さんなんて、もう号泣ですよ」
一織の言葉にIDOLiSH7がへと視線を向ければ、口元を覆ったままハラハラと涙を零すの姿。
慌ててスタイリストが駆け寄ってきてハンカチを差し出せば、それを受け取りはするものの画面から目を離せない様子でじっとTRIGGERを見つめていた。
「天、楽…龍くん…かっこいい…大好き…愛してる。超愛してる」
やっと目の下にタオルを当てて涙を吸い取り、はそれでも画面から目を離せなかった。