君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第191章 191
「そう。イベント時だけじゃなくて、年間通してを起用したいって。今日は撮影日やコンセプトの打ち合わせだね」
以前、虎於と共演したCMのブランドである。
広報担当が気に入ってくれ、上に提案したらば即座にOKが出たと鼻息荒く万理にオファーを出してくれた。
「あの時、私まともに仕事できなかったのに…本当にありがたいです」
の言葉に、万理は軽く首を振る。
「CMの評判は上々、トラブルもあったけどそれを乗り越えて仕事をこなしたんだよ、は。だからこそのオファーなんだから、自信もって」
「はい!頑張ります!アクセサリーだから指輪とかもありますよね。ハンドケアもしっかりしていかないと」
相変わらず仕事への姿勢が超前向きである。
そんなの頭をぽふりと撫で、万理は移動を促す。
「ZOOLさん、次の時間がありますのでお先失礼しますね」
「収録の日、よろしくお願いします。それでは」
「おい、」
いざその場を去ろうとすれば、虎於に声を掛けられる。
「まだ何かありましたか?御堂さん」
「……お前、了さんになんかしたか?」
「はい?月雲社長さんには私は何もしてませんけど…」
「お前と七瀬陸をやたら気に入ってんだよ。毎日暇さえありゃお前らの出てる番組見てる」
「はぁ…そうですか」
「…気を付けろよ」
いつになく神妙な顔でそう伝える虎於に、何かを感じ取ったは素直に頷く。
「わかりました。貴方が言うなって感じですけど」
「それは別の話だろ。しかし、アイツも結構やるな」
以前の電話でのやり取りを言っているのだろう。
虎於のその様子にはにこりと微笑む。
「誰よりも強くて、誰よりもカッコいい、自慢の彼氏ですから」
「、そろそろ行こうか」
「はい!では、失礼します」
最後ぺこりと一礼し、はそのまま部屋を出ていく。
「は~…かんわい」
「あの子は綺麗でしょう?狗丸さん」
「そうか?どっちかっちゃ可愛いだろ?まぁ、綺麗もあるけど…うーん…」
「造りが良い」
「そんな人工的なもんじゃねぇだろ」
「は可愛い系だろ」
なんやかや、をお気に入りの様子のZOOLであった。