君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第191章 191
一方は万理と共に次の打ち合わせも順調に終え、帰りの車の中。
「ツクモの社長さんと、私なんかありましたっけ?」
「いや、直接会ったのは東京国際音楽芸術祭だけだと思うけど…」
「ですよねぇ」
首を傾げる。
どうやら虎於に言われたことが引っかかっている様子である。
「今度、百さんたちに話してみます」
「うん、そうだね。そうしよう。そろそろ着くよ」
「はい。今日もありがとうございました!」
自宅マンションのエントランスへと入れば、は車を降り一礼する。
また明日ね、と微笑み車を出発させる万理に軽く手を振りながら見送り、エレベーターへ向かえば、丁度開いたエレベーターに龍之介が乗っていた。
「!おかえり」
「龍くん!ただいまーっ!どうしたの?」
「そろそろ帰ってくるかなって思って…」
時間を見て出迎えに来てくれたらしい。
満面の笑みでを抱きしめる龍之介に、もまた嬉しそうに笑い抱き着く。
「さ、行こっか」
「うん!龍くん、今日ご飯何する?」
「そうだなぁ…」
呟きながら二人で手を繋ぎながらエレベーターに乗り込み、そっと口付ける。
「ひき肉残ってるし、そぼろとかどう?」
「賛成!楽しみだなぁ」
にこりと微笑むに龍之介もまた幸せそうに微笑む。
そんな龍之介を見上げては再度微笑み、龍くん、と呼びかける。
「なぁに?」
「大好き!」
「俺も大好き」
エレベーターが指定階に到着する直前。
扉が開く前に愛を囁き、そっと唇を交わす二人であった。