君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第21章 21
「え、俺…嘘ついてるんだよ?みんなに…」
「私だって、嘘ついてますよ。旅館の跡取り娘って。姉がいるから私継がないのに…。まぁ、まだデビュー前だからそれ知ってる人ほとんどいないので、これから嘘つくってことですけど…」
「…引かないの…?」
「何でですか。お父さんや家族のためにつきたくない嘘ついてまで頑張る人にどう引くんですか」
首を傾げるに、龍之介は小さく笑い、嬉しそうに頷いてを抱きしめた。
「嘘つきって、引かれたらどうしようって思った…」
「私は、ホテル王の息子の十龍之介に惹かれたんじゃないです。セクシーなくせに、太陽みたいな明るい笑顔で、ちょっと照れ屋で、時々可愛くて、でもいつもかっこよくて優しくて男らし…」
「ま、待って待って!褒めすぎだよ!恥ずかしいっ!」
抱き締めたものの、耳元で褒めちぎられ、真っ赤になってを見る。
「そうやって照れちゃうところとか、そういう素の十龍之介に惹かれたんです。だから、家の事とか、そういうのは気にしなくていいんですよ?例え龍之介さんが四畳一間のオンボロアパートに住んでたって、大好きです」
「…」
「だから、そんな心配せずに、龍之介さんは堂々と私に愛されればいいんです」
えっへん、と胸を張るの言葉に一度きょとんとし、そして龍之介は思わず吹き出してしまう。
「え?!今カッコいいこと言ったと思ったのに!!」
「あははは!かっこいい!かっこよかったよ!でも、は可愛いから、可愛い子からかっこいい言葉聞くとちょっと、おかし…あははは!!」
「もー!笑いすぎです!」
「ごめんごめん、あー…、可愛いなぁ。ありがとう、…俺、に会えてすごく幸せだよ。だから、これからもずっと愛し続けていい?」
「…はわ…」
龍之介の真っすぐな瞳は、どうしてこんなにもの胸を貫くのか。
真っ赤になり、は小さく何度も頷く。
「かっ、、、こいい…かっこいい人がかっこいい事言うとかっこいい…心臓停まるかと思った…」
「そこまで言われると、照れるかも…」
胸を抑えるに、照れ臭そうに頬を掻く龍之介。