君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第189章 189
「天くーん!」
「楽ー!!」
「龍之介さーん!」
やはり外には出待ちのファンが多数待っていた。
どうしたものかとが外に出るのを逡巡していれば、龍之介はそんなの背をそっと撫でる。
「大丈夫。誰にも何も言わせない」
「龍くん…うん」
龍之介の笑顔に安心したように頷き、は龍之介と共に裏口から外へと出た。
「ちゃん!」
「…?」
「え、来てたんだ!ちゃーん!」
にも声をかけ手を振るファン達に、は微笑み手を振りながら一足先に車へと乗り込む。
が車に乗ったのを見て、龍之介たちは未だTRIGGERを呼ぶファンに笑い手を振る。
「みんな、今日は来てくれてありがとう」
「また会おうな!」
「また皆に会えるの楽しみにしてるね!」
微笑み手を振りながら車に乗り込むTRIGGERを、手を振りながらファン達は見送り、車は動き出す。
龍之介はしっかりの隣に座り、その手を繋いだ。
「さーて、いいとこ予約しといたから、行くわよ」
「ありがとうございます、姉鷺さん」
「居酒屋みたいだけど、メニュー豊富だったから未成年も安心なさい」
「お気遣い感謝です」
打ち上げよー!と微笑む姉鷺に、おー!と返せば話題は自然と先程のライブのものとなった。
「本っ当に楽しかった!一日だけなのが寂しいよ…」
「最高だったよな!やっぱ、ファンの顔見て歌えるの良いな。またすぐやりてぇ!」
「すぐにチケットも売り切れて、みんな色んなところから来てくれた。感謝しかないよ」
「も楽しかった?」
龍之介に問われ、はそちらを見上げて満面の笑みである。
「すっごく楽しかった!あの場にいれたこと、凄く幸せ!TRIGGERのファンでいられることが、幸せで堪らない」
嘘偽りないその言葉と笑顔に、龍之介もまた笑い頷いてを抱き寄せる。
「これからも、に最高の俺たちを贈るから」
「うん、楽しみにしてる。でも、チケットは自力で取るからね?」
今回は甘えさせてもらったが、やはり推しのチケットはなるべく自力で入手したいらしい。
そう言って微笑むに、頑張れと頷いて頬に口付けを贈る龍之介。