君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第189章 189
「そろそろ着くわよー」
「はーい!」
近くのパーキングへと車を停め、一同おり立てば龍之介がの手を取る。
いいの?とが問いかければ、勿論。と指を絡められた。
「ふふ、嬉しい」
「早く、いつもこうして外歩けるようになるといいね」
「うん。頑張るね」
「俺も頑張る」
こくりと頷けば幸せそうに、は繋いだ手はそのままに龍之介の腕に抱き着くのであった。
そして席に着いた一同。
全個室のその居酒屋は、京都らしく和風の雰囲気漂う店であった。
「さて、飲んで食べて、また明日から頑張るわよ!」
「頑張ります!」
「は明日の夕方からもう仕事なのよね?」
「はい。とはいえ、打ち合わせばっかりなのでそこまで気張らなくていいので有難いです」
そもそも、ほぼ三日のオフがとれたことが奇跡である。
本来ならインタビューや打ち合わせが入っていたのだが、万理が日程調整をしてくれたのだ。
「万理さんにもワガママ言っちゃったので、明日からまた頑張ります!みんなにも、ホントなら明日ゆっくり観光とかして欲しかったけど…付き合わせて朝一の帰りでごめんね」
「一人で帰らせる方が心配だし、良いんだよ」
「そうそう。お前一人で帰らせて、龍がゆっくり観光とかできねぇだろうしな」
天と楽の言葉に、龍之介は深く頷く。
「最初が一人で帰るって言ったときは、心配で心臓が爆発するかと思った」
「大げさでは…」
「いや、ずっとどうしようどうしよう、後ろからついて行こうかなって言ってたよ」
「その方が逆に危ないだろうって事で、皆で帰ることにしたのよ」
「前に旅番組で来た時に京都は観光したし、は気にしなくていいんだよ」
龍之介の過保護も、天、楽、姉鷺の気遣いも、にとっては有り難いものでしかない。
つくづく自分は周りに助けられて支えられていると、心から感謝するである。
「本当にありがとう。龍くんも、いっぱい心配してくれてありがとう」
「俺はを愛してるだけだよ」
「んもー…っ好き!」
「俺も好き」
「「いちゃつかないの」」
そんなツッコミを受けながらも、幸せそうに笑い龍之介に抱き着くであった。