君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第188章 188
とはいえ、龍之介が一旦後ろを向いたのは、うっかりと目が合ってしまったからでもあった。
可愛すぎてどうしよう…
普段のと姿は変わりがない。
けれど、いつもより数段きらきらとした笑顔で、憧憬の眼差しで、その中に好き好きオーラが思う存分含まれたその眼差しが、たまらなく可愛かったらしい。
そんな龍之介の様子に気付いた天と楽がちらりとを見れば、やはりその眼差しに動きが止まってしまう。
うわぁー…可愛い…
龍之介の気持ちが痛いほどわかり、くすくす笑いながら頷けば、やっと気持ちが落ち着いた龍之介は会場を見渡し満面の笑みだ。
『よし、落ち着いた。みんな、一日しかライブできなくてごめんね。でも、みんなに会えてすごく嬉しいよ!』
『俺も!お前らの顔見れてすっげぇ嬉しい!すっげぇ楽しいよ!』
心からの喜びと感激を目いっぱいの笑顔と言葉で伝えてくれるTRIGGERに、観客たちは改めて恋をする。
カッコいいだけじゃない。可愛いだけでも、セクシーなだけでもない。
テレビから消えたって、TRIGGERのダイヤモンドのような輝きは決して消えない。
「TRIGGERー!」
「ありがとうー!」
「大好きだよー!」
だからファン達も、その輝きを更に瞬かせるように、目いっぱいの愛を届ける。
彼らは受け取ってくれるから。
それを何倍にも返してくれるから。
だから、ファンはTRIGGERが愛しいのだ。
『最後の一曲となりました』
アンコール、最後の一曲の前。
もっと聞きたいと乞うファンにファンに、ごめんね、と微笑み天は深々と頭を下げ、龍之介と楽も続く。
『色んな心配を掛けましたが、僕たちはこれからもこうしてステージに立って、皆さんにTRIGGERを届け続けます。今日は来てくれて本当にありがとう。みんなに会えて、良かった』
にこりと微笑む天はまさに天使。
そんな天に、皆もまた、笑みを浮かべながら天の名前を呼ぶ。
『俺たちがこうしてここに立ててるのは、みんな、お前たちのおかげだ。なぁ、やっぱ…TRIGGERは最高だろ?』
最高だよー!
そんなファンの言葉に楽はニカッと笑う。
『お前たちも最高!次はゼロアリーナ連れてくからな!!』