君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第183章 183
「どっちも好物なので大丈夫です!」
「豆腐よく食べてるよね、」
「豆腐と果物と野菜あったら割とご機嫌だよね」
「でも焼き肉行くとめっちゃ肉食うよな」
「みなさん、よく見てはるねぇ」
店主の言葉に、TRIGGERの三人は思わず顔を見合わせ、姉鷺は飲みかけのウーロン茶に軽く咽る。
対面式での食事の場合、会話に気を付けないといけない。
いくらの行きつけで知り合いだろうと、TRIGGERの三人とほぼ同居状態なことも、龍之介と付き合っていることも知られるわけにはいかない。
「はTRIGGERのお姫様なので」
「それ色々言われてるよな。最初はTRIGGER狂い女優だったのに、妹分、姫、姉鷺はなんつってたっけ?」
「TRIGGERの嫁」
「だもんな」
「恐れ多すぎるんですけどねぇ」
くすくす笑いながらはサラダを食べつつ呟く。
すると、階上からどたばたと騒がしい音がし、バタバタと階段を駆け下りてくる音。
「!!」
「友美…!勉強してたんでしょ?良いのに私なんか」
「良いことあらへん!明美からに会ったって聞いて私も会いたかってん!会えてよかったー!」
バンッ!とスタッフ用の扉を開いて姿を見せたのは、の友人であった。
カウンターから出て、に駆け寄ればぎゅー、と抱き着く。
「久しぶり」
「ホンマに久しぶり。こないだ京都帰って来た時以来やな」
「私もその時以来の京都。FSCでライブやってくれるTRIGGERに感謝だね」
「せやなぁ、TRIGGERにかん…しゃ…ぎゃあああ!?!!TRIGGER?!!」
「友美!やかましいでほんま!」
今までにしか意識を向けていなかった友人は、の連れにやっと視線を向け、そして彼らがTRIGGERだと気付くと前髪を押さえながらずざざざ!と後ずさる。
「なっ、なっ、なんで?!」
「え、明日本番だから、英気を養ってもらおうかと。京都で一番の鉄板焼き屋さんに来たのよ」
「ちゃん、焼きそばサービスや」
「ありがとおじさん!」
おだてたわけでは無く本心であったが、店主からのサービスは嬉しそうに微笑み受け入れるである。