君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第183章 183
あーでもないこーでもないと甘やかしが始まる三人に、はくすくす笑いながらありがとう、と頷く。
「私の猫舌事情は良いから、みんなが食べたいの決めて。楽、〆しか決めてないでしょ」
「まぁな」
メニューに視線を落とし、は取り敢えずサラダを頼む。
「豆腐サラダとー、焼きトマトお願いします」
「はいよ」
「友美元気ですか?」
「もうすぐ入試本番やカラピリピリしとるけど、身体は元気やで」
「良かった。受験組からは全く連絡こなくなったんで、ちょっと心配してたんです」
安心したように微笑むに、夜中、ちゃんの曲聞こえてくるで、と店主は頷く。
「私の曲、ですか」
「ちゃんも東京で頑張ってんねやから、自分も頑張らなって思うのかもしれへん」
「みんなの力になれるなら、歌い甲斐ありますね」
にこりと微笑み頷くに、店主は微笑み、TRIGGERさんはなにしはる?と首を傾げる。
「僕はが食べてたオムライスにしようかな」
「俺はステーキ。締めに蕎麦お願いします」
「俺は…牛100ハンバーグにしようかな…は?」
「うんとね、豆腐ステーキと、チキンステーキそれぞれハーフで!」
「あら、ヘルシーで良いわね。私も同じのにしようかしら」
全員が注文を終えたところで、店主は頷いて調理を始める。
「あらぁ、ちゃん。久しぶりやねぇ」
「女将、お久しぶりです」
「いっつもテレビ見とるよ」
「ありがとうございます!」
飲み物を持ってきたのは、店主の妻であり、の友人の母である。
の母とも知り合いの為、おばさんというよりこの店の女将という認識がにとっては強い。
「ちゃん、実家には顔出さへんの?」
「今回は少し時間がタイトなので、顔出さずに東京戻る予定です」
苦笑しながら頷けば、そうなん、と微笑まれる。
「友美も呼ぼか?」
「あ、いえ!勉強の邪魔になっちゃいけないし、また受験終わったころに遊びに来ます」
「ほか、じゃあ内緒にしとこか」
くすくす笑う女将にも微笑みを返し、奥へ入って行く女将を見送る。
「まず、サラダと焼きトマト…サラダとステーキ、豆腐被ってるけどええんか?」