君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第183章 183
「おじさん、ご無沙汰してます!」
「おお、ちゃん!」
友人の父親が営んでいるという鉄板焼きの店へとついた一同。
が扉を開き顔を覗かせれば、にこりと嬉しそうに迎える店主の姿。
「突然の予約ごめんなさい」
「かまへんかまへん。大スターの凱旋やしなー」
「私なんかまだまだですよ。はい、みんな入ってー」
店内はカウンターをゆったり目に取ったこじんまりとした店であり、確かに二組ほど入ったら満席になってしまう規模のものであった。
それでも店主のセンスが光る内装で、おしゃれな雰囲気が漂っていた。
「ホンマにTRIGGER連れてきたな」
「…TRIGGERはTRIGGERしかいないじゃないですか」
の言葉が信じられていなかったようで、天、楽、龍之介の姿に店主は驚く。
「ホンマにすっかり芸能人やな」
「そうですよ、女優なんですよ。さて、明日本番だし、今日は龍くんも楽もお酒は控えめにね。天、何飲む?」
「りんごジュースにしようかな」
「じゃあ私も一緒のにしよ。龍くんは?」
「うーん、取り敢えずウーロン茶」
「俺も。飲むのは明日の夜だな」
飲み物を決め、食事のメニューを開く。
確かに洋食のメニューも多い。鉄板焼きの店なのに。
「楽えらーい。姉鷺さんは?」
「担当タレントが飲まないのに、マネージャーが飲めないわよ。私もウーロン茶お願いします」
本日ノンアルコールデーにするようだ。
「龍くん、何食べる?」
「そうだなぁ…のおすすめは?」
「私はねー、いつもここ来ると頼むのはオムライス。鉄板の上で作ってくれるんだよ」
「へぇ、美味しそうだね」
「ステーキとかも柔らかくて美味しいよ」
肩を寄せ合い共にメニューを覗き込むと龍之介の話に、天と楽も頷き姉鷺も共にメニューを見る。
「、灼熱のビーフシチューってなんだ?」
「鉄なべでグッツグツに煮込んだシチューがずっと熱い鉄板の上に置かれてるから、ずっとグッツグツしてていつまでも冷めないの」
猫舌だから、いつまでも食べれないの…。と項垂れるに、キュンが止まらない一同。
「ふーふーしてあげようか?」
「取り皿貰ってあげる」
「鉄なべじゃなくて普通の皿で出してもらおうな」