君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第182章 182
「失礼しまーす!龍くん、天、楽、お疲れさまー!」
「!おかえり」
「ただいみゃーっ」
扉を開ければ龍之介が嬉しそうに駆け寄って来た。
そんな龍之介に抱き着きすりすりと擦り寄る。
「龍くん…会いたかったよぅ」
「俺も。荷物とホテルの手続きありがとね」
「どういたしまして!リハ楽しかった?」
「うん、明日が凄く楽しみだよ!」
「よかった。私も楽しみっ」
嬉しそうに微笑み見上げてくるの両頬をそっと包み込み、龍之介は満面の笑みである。
「可愛い…何も危ない事なかった?」
「うん。結局友達とランチ食べたカフェで時間潰してたんだ。だから、大丈夫だったよ」
「そっか…良かった」
の頬をマッサージするようにうりうりと揉みながら龍之介はそっと口付ける。
「りゅーくん。ぷぎゅ…んー…」
「龍、ちょっと早くどいて」
「え?あ、ごめん天。トイレ?」
入り口付近でいちゃついていたので、出入りが難しい状態になっていたことに気付き、龍之介はを伴って入り口のスペースを空ける。
が、天は楽屋を出ていかず、の前に立つ。
「おかえり、」
「うん!ただいま、天!」
「良い子にしてた?」
「してた!」
「うん、えらい」
ぽふぽふと頭を撫で、またもとの位置へと戻る天に、ただ甘やかしたかっただけか、と龍之介はくすくす笑う。
「、店決めたか?」
「うん。知り合いの鉄板焼き屋さんに予約とっといた!他に予約ないしお店自体小さいから、貸し切ってくれるって」
「おお、意外なチョイスだな」
「そう?あ、そうかも。でもね、天と楽の希望一気に叶えてくれるんだよ、そこのお店」
のその言葉に、天と楽は首を傾げる。
「まず、洋食メニューが豊富です」
「いいね」
「そして、〆のお蕎麦がちょー美味しいと大評判です」
「お、最高じゃねぇか!」
天と楽の要望をガッツリ組み込んだそのチョイスに、二人とも喜んでいる様子である。
「でも知り合いって…の実家に話伝わったりしない?」
「うん、大丈夫だと思う。友達のお父さんがやってるお店だから。伝わるにしても、私たちが帰ってからだと思う」
心配そうに問いかける龍之介に、はにこりと微笑み答える。