君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第180章 180
「だけど、私は龍くんが私だけを愛してるって知ってるから。本当は私を閉じ込めたい位、縛り付けたいくらい愛してくれてるの知ってる」
龍之介の隠していた筈の束縛と嫉妬心はすでにに知られていたらしい。
「本当は龍くんの腕の中にずっといたい。息が出来ないくらい縛り付けられたい。歪んでるかもって思ったけど…でも、そう思われるくらい愛される方が安心するの」
愛が分からなかった。
愛することも愛されることも分からなかった。
けれど、愛という者を無限に降り注いでくれる龍之介が現れて、愛する喜びと愛される幸せを教えてくれた。
依存しているのかもしれない。
けれど、それでも良いと思ってもいる。
「だからって、今日私がされたことは簡単に許しちゃダメだよ」
「……」
「私が環の気持ちにちゃんと向き合って、ちゃんと無理だよって伝えなかったからこうなった。環も悪いとこはあるかもしれないけど、今日の責任は私にある」
だから、龍くんは怒って良いんだよ。
そう言っては龍之介を見上げて首を傾げる。
「…」
「はい」
「悪い子。だけど、俺の大切な愛しい子。愛してるよ」
そっとの顎を掴み、口付ける。
唇を貪るように何度も口付け、乱れたの呼吸が整うのを持つことなくそれを深める。
「っふ…ぁ…」
「…」
「ん…?」
「大好き」
「ん、私も。愛してる。龍くんしか見えないよ」
「ずっとそうして…俺だけ見てて」
「最初から龍くんしか見てない。龍くんも…ちゃんと私だけ見ててね?」
どちらからともなく口付け、そのままゆっくりとソファに身を倒す。
「久しぶりに、俺のベッド行く?」
「まずはここが良い。今すぐ抱いて」
「了解、お姫様」
にこりと微笑み、龍之介の唇が首筋に這う。
二人の甘い時間は、いつまでも続いた。
「ご飯…食べれにゃい…」
「明日も仕事でしょ?」
「うー…」
「じゃあ、お風呂入って、ちょっとゆっくりしてから軽く食べよう」
「うん」
歩ける?と問いかける龍之介に、はふるふると首を振る。
本当はしっかり歩けるが、甘えられるときは甘える。
「可愛い嘘ついて…」
「ん…ふふ…嘘じゃないもん抱っこしてほしいのはホントだもん」