君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第180章 180
その夜。
割とくたくたに疲れて帰ってきたは、まず自らの部屋へと戻り着替えた。
ついでにメイクも落として、ご飯を食べにおいでと言ってくれた龍之介たちに甘えて、隣の部屋へと移動した。
「、お疲れ様」
「ありがとう。…あれ?天と楽は?」
「天は九条さんに話があるって呼ばれて、楽は久しぶりに実家に顔出すって」
「そっか。…龍くん、今日のことなんだけど…」
「うん。先話す?」
頷き問いかける龍之介に、は頷き返して二人でソファへと腰掛ける。
「ごめんなさい、嫌な思いさせて」
「びっくりしたけど、嫌じゃない。ちゃんと話してくれたから、怒ってもないよ。でも、聞いて欲しい」
「…うん」
「俺、どうしようもなくが好きなんだ」
てっきり怒られると思っていたは、そんな龍之介の言葉に目を見開きながらもこくりと頷く。
「う、ん…」
「だから、本当はキスシーンも寂しいし、他の誰かがに触れるのも…嫌だ。…ごめん」
「…うん」
頷くを見て、龍之介は小さく頷き返す。
何となく、嬉しそうなのは気のせいなのだろうか。
やんわりと言ってはいるが、これはガッツリとした束縛宣言。
けれど、は嫌がるどころか、むしろ微笑んでいる。
「は女優さんで、歌手で、仕事の上でのキスシーンとかは仕方ないって思ってるし、が共演者だけじゃなくてファンに愛されて、更に可愛く綺麗に輝くのも知ってる。だけど…俺だけのだけでいて欲しいとも思う」
「…龍くん…」
「ごめん。困らせたくないのに」
「困ってないよ。嬉しいよ」
謝る龍之介に、は微笑み、龍之介を見上げる。
「私は、誰とどんな仕事をしても、誰と何があっても、龍くんしか愛せない。私も、龍くんが誰かと絡むシーンなんて撮って欲しくない。本当はライブでも他の女の子見て欲しくない。私しか見ないでって、私だけ見てって…いつも思ってる」
だけど、ファンに応援されて、嬉しそうに、楽しそうに歌って踊る龍之介が大好きで、嫉妬を上回るほどカッコ良くて、さらに愛しくなる。