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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第179章 179




龍之介は誰かが傷つく嘘が嫌いだ。
これは、黙っていたらいずれみんなが傷つく嘘になり得る。
それでもこれだけの怒りを感じるのだから、嘘をついたとき、バレた時の龍之介を想像するだけで背筋が凍る。

「…はぁ、取り敢えず。残りの仕事頑張ろう」

吐息混じりに呟き、時間だよー、と迎えに来た万理に頷き、は次の仕事へと向かっていった。

場所は変わって龍之介のマンション。
FSCホールでのライブに向けて話をしていたところにからの告白を受け、龍之介は電話を切って盛大にため息をついた。

「どうした?」
「に何かあったの?」
「…俺の彼女…モテすぎ…」

うー…と唸りながら龍之介は机に額を乗せる。
楽に始まり、虎於、そして環。
確かに、環がにあからさまに好意を持っていることは解っていた。
けれど、それ以上のことはしないと安心していたのも事実。
の言っていた、関係性の変化に敏感な環が、との友情を変化させようとすることは無いだろうと思い込んでいた。

「またなんかあったのか」
「環くんが…」

その名前に、天も楽も、ああ、と頷く。
驚きの少ない二人に、龍之介は顔を上げ二人を見る。

「何でそんな驚かないの?!」
「だって、明らかにの事好いてたでしょ。四葉環」
「誰よりもへのスキンシップ激しかったろうが、アイツ。に関してはお前への対抗心も強かったし」
「確かに…」

とはいえだ。
は龍之介のものだと環もよく知っているだろうに。
何故。

「珍しく、怒ってんな」
「怒る…というか、焦りが強いかも」
「焦り?」
「早く、を俺だけの子にしたいのに…」
「もうなってんじゃねぇか」

楽の言葉に、天も隣で頷く。
龍之介を見ても、を見ても、二人は紛う事なきお似合いのカップルだ。
ただ、の魅力が溢れすぎてこうなってしまうのが難点なのだ。

「じゃあ、何で楽はにキスしたの?」
「うっ…」
「はぁ?抱き締めただけじゃなかったの?」
「ま、魔が差したんだよ…」

それは本当に悪かったと思ってんだよ!と楽の言葉に、龍が納得してるなら良いけど、とため息混じりに返す天。

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