君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第176章 176
嬉しそうに微笑むを、ドレスの飾りが引っかからないようにそっと抱きしめる。
その表情はでれでれである。
「イチャついてるとこ悪いんだけど、龍。だけ撮りたいからどいて」
「だけ?!」
「お前のスマホでツーショットたくさん撮ってやったからどけ。待受けにする」
「待受け?!待って俺もの写真撮りたい!」
そんなわけで、TRIGGERによるのウェディングコレクション(一着)撮影会が開催されることになった。
「、こっち向いて」
「次、こっちな」
「時間、大丈夫ですか…?」
「大丈夫です!」
ぐっと拳を握るスタッフに、ありがとうございます、と返事をし、向けられるカメラに微笑む。
天が、ふと写真をチェックする龍之介のスマホを覗き込み、軽く首を傾げた。
「笑顔が違う」
「え?」
「僕のスマホに写ると、龍のスマホに写るの笑顔が違う」
「そんなわけねぇだろ」
「楽も自分のと見比べて見なよ」
もう一度そんなわけねぇだろ、と言いながら楽は自らのスマホと龍之介のスマホを見比べる。
「…ちげぇな」
「でしょ?龍にだけ、すっごく後光さしてる」
「後光は言い過ぎ。でも私、そんな意識してなかったんだけどなぁ…」
「写真ですらいちゃつくんじゃねぇ」
楽のそのツッコミに、思わずすみません、と謝ってしまう龍之介とであった。
「そろそろ着替えていい?」
「「「まだ」」」
「嘘ん」
「では、和装なども如何ですか?」
何だって?!
と一同が振り向けば、スタッフはにこりと微笑み打掛の掛けてあるクローゼットを手で示す。
の和装がとんでもなく美しいのは京都の旅館で見知っている。
それが色打掛など着て見ろ。
「龍、倒れるんじゃないの?」
「その自信しかないよ、俺…」
「何でそっちに自信満々だよ」
「いや、あの…そろそろ時間が…」
時計を見たの言葉に、一同各々の腕時計を見る。
そろそろ九時を回りそうになっていた。
は明日も早いため、そろそろ帰って寝る準備をしたいところである。