君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第171章 171
「へ?っんあ…ちょ、んんぅ…」
開き直り早すぎるからっ!
そんなことを思いながらも、既に龍之介の虜になっているは押し返すことは出来ずに、寧ろ舌を絡ませてしまう。
しまったと思ったときにはもう遅く、龍之介はいつの間にかに跨り、彼女の両腕を掴んで更に唇を貪った。
「っあ…龍く…」
「…抱いていい?」
「だだだだだめ…!それはダメ…!」
仕事から帰ってそのままで、熱のせいで汗をかいている。
絶対に!それは!ダメだ!
ブンブンと首を振るが、くらりと頭が揺れる。
そんなに龍之介はそっと頭を撫でた。
「、暴れちゃダメ。全部俺がしてあげるから」
「してあげ…だからっ、ダメっ、て…んも…ひゃあ!?」
「すごい…体熱い…えっち」
「熱だからぁっ!んっ…ほん、とダメ…っんぅ」
シャツの裾から龍之介の手が忍び込む。
熱を孕んだの身体から熱を吸い取るかのように、ひんやりとした手がはい回る。
その手付きのせいで熱など、吸い取るどころか上がりそうだが。
「…可愛い…」
「龍くん…メ…ダメェ…」
「説得力ない顔してるよ?」
「熱だってばっ!きゅ…も、あした…ね?明日…」
「やだ。今すぐ抱きた…」
「龍」
途端、聞こえてきた龍之介とは違う声に、龍之介の身体が強張り、そして二人揃って声の主に視線を向ける。
「て、て、天…」
「病人に、何してるの?」
「えっ、と…」
「今すぐどきなさい」
有無を言わせない天のその言葉に、龍之介は、はい、と素直にの上から退く。
つかつかと近付いて来たかと思えば、龍之介に拳骨をかまし、の服をそっと整えた。
「い゛っ…」
「全く……………気持ちは解るけど」
わかっちゃうの?!
と龍之介は拳骨された箇所を押さえながら天を見る。
熱で火照り、そのせいで潤んだの瞳は、確かに見るものを誘ってしまう魅力に満ちていた。
それを惚れ込み切っている龍之介が見て、我慢しきれるものでは無いかもしれない。
だが
「風邪だけじゃなくて、疲れもあるかもしれないのに余計疲れさせるようなことを、君が、してどうするの」
「すみません…」
龍之介、正座で天のお説教を大人しく受ける。