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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第171章 171




手で顔を押さえられ、龍之介は寂し気にを見る。
その表情にはとても弱いが、今日だけはにだって譲れないものがある。

「風邪うつったらどうするの…」
「そんなヤワじゃないよ、俺」
「私もそう思ってたけどこの通りだよ…マスクもせずにもぉ…うぅ…嬉しい…」

それでもキスを求められるのは嬉しいし、何より様子を見に来てくれたことも嬉しい。
きゅう、と抱き着きすりすりと擦り寄れば、そっと頭に口付けられる。

「大分ダルそうだけど…大丈夫?」
「うーん…動けなくてだるいのが割としんどい…後メイク落としたい」
「なるほど。じゃあ、買ってきて良かったかも」

呟けば、ちょっと待っててね、と龍之介はそっとから離れて階下へ降りる。
ガサガサと荷物を探る音の後、タッタッと軽快に階段を上って来た。

「拭くだけのメイク落とし買って来たよ」
「龍くん…!ありがとうー!!」

じゃん、と差し出された袋にはメイク落としの文字。
本来ならばしっかりと落としたいが、今はこれでも充分ありがたい。

「はメイク薄いし、今日はこれで良いかなって思って」

呟きながら袋を開け、シートを取り出す。

「ん…?」
「やってあげる」

にこりと微笑む龍之介に、もまた微笑み頷く。

「ありがと」
「寝てていいからね」

そっと寝転ばされ、龍之介は微笑みながらの傍に腰掛ける。

「ちょっと冷たいかも」
「ん、だいじょぶ…」

そっと触れたシートは龍之介の言った通りひんやりとしていたが、熱で火照った顔にはちょうど良かった。
体温は知らされていないが、やはり熱は高めらしい。

「きもちぃー」
「そっか、熱あるもんね」

くすくす笑いながら、丁寧にシートを顔に滑らせメイクを落としていく。

「目、閉じて」
「はーい」

龍之介の言葉に目を閉じれば、目元にまたひんやりとしたシートが当たる。

「ん…っ、りゅ…こら…ぁ…っふ」

かと思いきや、の唇には暖かい感触のものが触れ、が龍之介の肩を押し返そうとする前に、ぬるりと柔らかい舌が口内へと侵入した。

「っんぁ…はっ…」
「…口の中も熱い…」
「なっ、にしてるの…!風邪うつったらどうす…」
「じゃあ、もううつってるかもしれないし、良いよね?」

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