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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第171章 171




数日後、翌日にオフを控えたは

「うぅ~…しんどい…」

見事に風邪をひいていた。
万が一龍之介や天、楽にうつしてはいけないと、絶対に来るなと念を押した上で自室にて寝ていた。

「仕事中は平気だったのに…」

朝から確かに体はだるかった。
しかし、その時に熱はなく、日ごろの疲れが出た程度だと思っていたのだが、最後のカットがかかった瞬間、目が回って倒れ込んでしまったのだ。
見事な女優魂、と褒める万理に抱えられ、自宅へと入れば、そのままベッドへ直行したのである。

「メイク落としたい…うぅ…」

とはいえ、思ったより熱が高いのか身体が思うように動かない。
明日は龍之介と出かける予定をしているのに、久しぶりのオフなのに、なのに、何でこんな時に限って、何故。

「腹立ってきた…」

己の体調管理は出来うる限り気を使ってきた。
けれど、どこからか拾ってきてしまったらしい。
誰が悪いわけでもないが何やら腹が立つ。
むぅぅぅ…!と枕に顔を埋めていれば玄関のロックが解除され扉が開く音がした。

「!」
「りゅ…く…来ちゃダメって言ったのに…」

やって来たのはやはり龍之介。
何やら荷物を置く音がして、続いて階段を上ってくる音。
龍之介の姿が見えた瞬間、は気が緩んだのか瞳が緩む。
思ったより気持ちが弱っていたようだ。

「放っておけるわけないじゃないか。熱は?」
「測ってない」
「布団も被ってないし…ほら、おいで」

龍之介がベッドに上がり、をそっと抱き起して服に手を掛ける。

「龍くん…」
「ん?大丈夫だよ。すぐに良くなるからね」

体温計をの脇に挟み、それが動かないようにそっと抱きしめながら頭を撫でる。
それだけで、のだるさが幾分か和らいだのが分かった。

「薬とか、ゼリーとか食べやすそうなもの買って来たからね」
「ん……ありがと」
「あとでおかゆ作ろうと思うけど、食べれる?」
「頑張る」

こくりと頷くにくすくす笑っていれば体温計が測定完了を知らせた。

「うーん…結構高いけど、病院行く?」
「ううん、寝てれば直ると思う。薬ありがとね」

呟きながら龍之介を見上げれば、にこりとした笑みと共に龍之介の顔が近づいて来る。


「だめー」
「え?!なんで…?!」

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