君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第170章 170
曲の終わりに気付いたのだろう。
ちゃんと見れなかった…と残念そうにステージへと視線を向ければ丁度IDOLiSH7の曲が終わり、七人が戻ってくる。
トークの為に、とZOOLはスタッフに促されるまま席を移動した。
「っち、大丈夫だったか?」
「うん。ありがと、環」
こくりと頷くに、よっし、と環も頷き返し、トークへと戻る。
その後も順調に収録を終え、は即楽屋へと戻った。
「お疲れ様でしたっ」
「お疲れ様。、駐車場まで送るね」
「?万理さん、お仕事あるんですか?」
「ううん」
首を振る万理に首を傾げていれば、万理はラビチャの画面を開いてに見せる。
途端、は衣装をバッと脱ぎ、せかせかと着替え始めた。
「俺ももう慣れたけど…突然脱ぎだすのやめて欲しいなぁ」
一生脱ぎたくないと言っていた衣装を即座に脱ぎ、制服を着こんだと思ったら、メイクを手早く直し、髪形を整えて鞄を持ち上げる。
数分で帰る支度を整えたに、万理を含め一同思わず拍手である。
「隣に挨拶してから、帰りますっ!」
「はーい、お疲れ様」
スタイリストとメイクにいつも通り丁寧に礼と挨拶をし、楽屋を出ればすぐ隣の扉をノックする。
「一織、大和さん、三月くん、環、壮五さん、ナギくん、陸、お疲れ様!」
「もう帰り支度終わったの?」
「うん!龍くん来てるから!」
何とも嬉しそうな笑みのに一同超納得である。
万理に届いたラビチャ。
そこには『、迎えに行っていいですか?』の文字。
万理がOKを出せば、『ありがとうございます。収録終わりの時間に駐車場で待ってます』と書いてあった。
それは張り切って身支度を整えるわけである。
「来週始めに寮遊びに行くねっ!じゃあ、お先失礼します!またね!」
手を振りながら今にも走り出しそうな気持を抑え、は駐車場へと向かう。
そのまま辺りを見回せば、車に背を預けを待つ龍之介の姿。
「かっこよすぎる…」
思わずそう呟くに、万理はくすくす笑いながらの頭をぽふりと撫でた。
「お疲れ様。また明日」
「お疲れ様でした。また明日、よろしくお願いします!」