君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第170章 170
『いやぁ、さんは相変わらず何でもこなしちゃうね!』
『とんでもない!毎日先輩方に追いつこうと必死ですよー!』
無事に二曲歌い、踊り切り、席へと戻れば司会者とのトークタイム。
彼の言葉にくすくす笑いながら首を振れば、そういえば、と司会者が続ける。
『今流れてる御堂くんとのCM!大人気らしいね!』
その言葉に、少し離れてはいるものの隣に座っている虎於とのツーショットがカメラに抜かれる。
『そうなんですか。有難いですー』
『お似合いカップルだと、話題になってるそうだよー』
うっそだろ…。と内心思いながら、は笑顔を浮かべる。
『いやいや、私なんかが恐れ多いですよぉ』
『へぇ、良いじゃねぇか。お前はもう俺のもんだろ?』
『御堂さん、何を仰って…?』
『聞こえなかったか?お前は、俺の女だって言ったんだよ』
途端、スタジオ内の女性スタッフから厳しい視線が突き刺さった。
ここのスタッフ、みんな御堂虎於好きすぎるじゃん…!と苦笑しながらは首を振る。
『残念ながら、私は小鳥遊事務所の女ですので、御堂グループの女にはなれませんねぇ』
くすくす笑いながらがやんわりと交わせば、視線で大和に助けを求める。
俺かよぉ?!と思いながらも、大和はそーだよ、虎於を見る。
『はうちのお姫様なんで、渡せねぇな。なぁ、みんな』
大和の言葉に、一同こっちに振るんじゃねぇと思いつつ、こくりと頷く。
『ちゃんがいないと俺たち凄く寂しいから連れてかないでくださいね!御堂さん』
『陸…!私絶対小鳥遊事務所から離れないよー!みんな大好きー!!』
そんな陸とのやりとりにスタジオがほっこりしたところで、IDOLiSH7の曲の時間がやってくる。
にこやかにが見送り、IDOLiSH7の曲が始まれば、そっと虎於がに距離を詰めた。
「近づかないでください」
「女将から、正式に見合い断られた」
「お母様もやる時はやってくれますね」
「何しやがった?」
「十さんとのことをお母様に伝えたんです。ホテル王の息子なら、誰でも良かったみたいですね?」
残念でした。
そう言いながらにこりと微笑むに、虎於は小さく舌打ちし離れる。