君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第166章 166
虎於とのあれこれを話してはいないが、が大層虎於を苦手としていることは知っているため、IDOLiSH7も共演するときは何かと気にかけてくれる。
申し訳ないと思いつつも、やはり彼らの存在は有り難い。
「そっか、なら安心だけど…」
「うん。ただ…こないだのCMの評判が良いと…御堂さん、龍くんの後釜みたいになってるから…サンダードライ…私の大好きなサンダードライのCMが…っ!!」
龍之介が担当していた缶ビールのCM。
それを虎於が引き継いだことをテレビで知り、はショックで気を失いそうになった。
「あの!超セクシーな龍くんの!サンダードライが!!二十歳になったらキスを浴びるように体で飲み干したかったのに!!」
「キャッチフレーズ完璧じゃねぇか」
「なんなの。なんで御堂さんに龍くんの代わりが務まると思ったの?全くっ!」
激おこである。
ふんす!と鼻息荒く憤慨しきって満足したのか、は続いてこくりと頷いて微笑んだ。
「だから、こないだサンダードライの広報さんに会ったときお願いして、龍くんバージョンのデータ全部頂いた」
「タブレットで見てたのそれかぁ…」
TRIGGER狂い女優の名を使えるだけ使って、コピーを貰ったらしい。
「職権乱用にもほどがある」
「TRIGGERに関しては見境ないって言われてたもんね」
「次の衣装は三人のメンカラ入れてもらったしねー」
え?!
のその言葉に三人で視線を向ける。
「え、良かったの…?OK出た?」
「うん、色だもん。三人の名前入れてるわけじゃないし。そもそも私の衣装はよくTRIGGERっぽいって言われてるから、三人のカラー入れたところで誰も何も言わないよ。気付く人が気付いてくれて、喜んでくれたらそれでOK」
にんまりと笑うに、三人は顔を見合わせの頭を撫でる。
「ありがとう、」
「お礼言われるような事してないよ」
「お前のおかげで、テレビもライブも出れなくてもファンと繋がってるって思える」
「そんな大層な事してないよ」
「がいてくれるから、俺が毎日笑っていられる。しんどくても、と一緒に笑って居ようって思えるよ」
「私そんなすごくないよ」