君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第164章 164
「熱いからね、気を付けて」
「うん、ありがとう」
「飲むときふーふーするんだよ?」
「はぁい」
甘やかすのが当然の龍之介と、それを頷き思う存分甘やかされる。
二人揃ってべたべたの甘々である。
「ところで、三人プラスアルファの暮らしはどうよ?」
「プラスアルファって私?」
「割とうまくやってるよ。天のつよ、よわ、には最初首傾げたけどな」
「楽だってお風呂沸かすこと、風呂燃すって言うじゃない」
そんな事を言いながら各々席につけば、はよいしょ、と龍之介の足の間に腰を落ち着ける。
「……ふっつーにしてるけどさ」
「何してんだ」
「何してんだっち!俺んとここい!」
「すごい…ちゃん…」
総ツッコミのIDOLiSH7メンバーに対し、いたって平然としている天と楽。
「いつものことだから」
「眠くなったらそこで寝るからな、」
「慣れ切ってんな」
「同居二日目で慣れたな。この状態」
ずっとこんなんだから。
そういう楽に、感心と共に同情の視線も向ける一同であった。
「まぁも相当忙しいもんな。十さんに甘えて疲れ取れるんならいいんじゃね?」
「そうだね。またスケジュール埋まって真っ黒になっていたもんね」
「TRIGGERもライブ盛況なんだろ?」
三月の問いに、天、楽、龍之介は顔を見合わせ小さく苦笑する。
「満員御礼で有難いんだけど…」
「?」
「会場に入れなかったファンの子や、出待ちの子たちが周りに集まっちゃって…出禁になっちゃったんだ」
「出禁?!」
「まだ人気があって有難いやら申し訳ないやらだな」
「だからもう少し大きい場所でやった方が良いんだけど…」
呟けば、を含め四人でため息をつく。
「俺たち、ホント世間知らずだったよね…」
「の方が会場費どんくらいかかるか知ったもんな」
「いや、私は実家がスポンサーも色々やってるから聞きかじってるだけで…」
「ああ、んちスポンサーになれないのか?」
大和のその言葉に、は小さく首を振り俯く。
余りのそのしょんぼり具合に、IDOLiSH7のメンバーたちは慌て始める。