君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第163章 163
「ふっ、ふふ…」
「え?!なんで笑うの?!」
「お礼言っただけなのにっ」
「だっ、て…二人、そっくりなもんだから…」
肩を震わせて笑い始めた天に、と龍之介は顔を見合わせる。
「そっくり…?」
「夫婦は顔が似てくるって言うからな」
「それは言うけど…俺たちそんな似てる?」
「っ、はぁ…仕草とか、雰囲気は似てきてると思うよ…はぁ、おかしかった」
ひとしきり笑い、天は、軽く目じりを拭う。
本人的には大爆笑だったらしい。
「婚約はしてるけど…」
「ほぼ一緒に暮らしてる感じだしな。生活スタイル似てきたら似てくるってのも変な話しじゃあないんじゃねぇか?」
「あー、なるほど。え、じゃあ、天と楽も龍くんと寝食共にするんだから、龍くんに似てきて、即ち私に似てくるってこと?え?TRIGGERが?私に?似てくる?…贅沢…いいの…?え?ご褒美でしかないんだけど…」
TRIGGERオタクの飛躍した発想に、当の本人たちはくすくす笑いながら、食べなさいと食事を進める。
「てか、めっちゃ美味しいんだけど、豚のすき焼きもいいね」
「豚しかなかったんだよ。冷蔵庫に」
「ああ、そろそろ買い物行かないとね」
「じゃあ明日帰り…ああ、早くはないか、私」
スケジュールを思い出しながら呟くに、楽は苦笑する。
「今はより俺らの方が時間あんだから、任せられるとこは任せてくれよ」
「…うん。でも、みんなにはこれからの活動の方に力入れて欲しい…」
「俺たちは俺たちでちゃんと計画もしてるし、話し合いも重ねてるから大丈夫だよ」
自分の忙しさより、TRIGGERの活躍を気にかけるに、三人揃って笑う。
けれど、自分を顧みなさすぎるが、若干心配にもなる。
「」
「ん?」
「俺たちの心配や活躍を祈ってくれるのは嬉しいけど、自分の身体も大切にね」
「…うん。私には私にしか歌えない歌と、私にしかできないお芝居がある。だから、私を求める声がある限りは倒れたり、心配かけたりしないように気を付けよって思ってる」
それにさ、と呟けば、微笑み龍之介を見上げる。
「多分、私が倒れたら龍くん悲しいでしょ?」
「当たり前じゃないか。すごく悲しいし、心配になるよ」