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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第163章 163




「…可愛すぎる……」
「好きなだけ甘やかしてやるよ…!」
「独り占めしたいけど…可愛すぎて無理…可愛い…愛してる…」
「りゅーくん、愛してるは私見て言ってー」

悶える龍之介の服を軽く引っ張りながら呟くに、とどめを刺された龍之介。

「…何その可愛いの…ダメ…俺もうダメ…」
「ダメじゃないのー。ぎゅってして愛してるって言ってチューして?」
「お前、絶対わざとだろ」
「絶対楽しんでるでしょ」
「ううん、ホントに言って欲しいししてほしい。だって、私もすっごく愛してるもん」
「龍、生きてるか?」
「何、もう思い残すことは無い、みたいな顔してるの」

天にも昇る気持ちとでもいうような恍惚の表情を浮かべ沈黙している龍之介に、楽が呼吸を確認し、天は、龍が言わないなら僕が言おうかな、との頭を撫でる。

「っ!待って待って待って!愛してるは良いとしてキスはダメだよ天!」
「お、生き返った」
「心配しなくてもしないよ。全く…」

ガバッと起き上がった龍之介に、くすくす笑いながら天はに微笑んだ。

「が元気になってよかった。龍はさすがだね。も」
「え?」
「私も?」
「家族との確執って、そんなに簡単に割り切れないものなんだよ。血がつながっててもそうじゃなくても。僕だって、割り切ったつもりでも陸とのことは動揺したこともある。理や九条さんに同じ事言われたりしたら、流石に辛い。隠してるけどね」

そんな天の言葉に、今度はが天の頭を撫でる。
大丈夫だよ、君たちがいるから。と微笑み、天は小さく頷いた。

「は身よりはこっちにいない。拠り所になる人も家族にはいない。そんな中で更に義理とは言え母親に気持ちを踏みにじられたら、ひねくれたり、悲嘆に暮れると思うよ」
「…確かに、結構しんどかったけど…私は、龍くんやみんながいるってわかるから」
「そう思えることがもう強いんだよ。その強さを、龍がちゃんと見出して引き出して、立ち直らせるところがさすがだなって思う」

そう言って頷く天に、同意とばかりに楽も頷く。

「天にそう言われると…」
「なんか照れるなぁ…ありがとう、天」

照れ照れと微笑むと龍之介に、天は思わず吹き出す。

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