君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第163章 163
あれからと龍之介はシャワーを浴び、天と楽が用意してくれた食事を四人で囲んでいた。
「何があったのか、聞いてもいい?何があったの?」
そんな天の問いかけに、は龍之介を見上げ、天に視線を戻した。
「CMの撮影だったでしょ?御堂さんと」
「うん」
「その撮影で、すごくしんどいことがたくさん起きたの」
呟きながら、は母親の突然の来訪、不利だと思っていたのに本番で虎於にキスをされたこと、その時に虎於にとった態度によって、母親に頬を叩かれたこと、言われたことを、すべて話した。
「はぁ?…おい、龍。御堂呼び出せ、ぶん殴ってやる」
「それは俺の役目だから」
そう言ってにこりと微笑む龍之介の瞳は一切笑みを宿しておらず、楽はその瞳にあっさりと引き下がった。
「御堂虎於も有り得ないけど、僕は女将もどうかと思うよ」
天の言葉に、と龍之介は揃って頷く。
「近々、婚約の挨拶に伺おうと思ってたけど…」
「やめた方が良いだろうな」
「だよね」
「お母様に龍くんと付き合ってる事言っちゃったけど…周りに言いふらさないか心配になって来た」
小さく息をつくに、龍之介はそっと頭を撫でる。
「どんなことになっても、俺たちは俺たちでいよう」
「龍くん…」
「俺はどんなことがあっても、ずっとを愛してる。どんな報道にも、苦難にも負けない」
「うん。私も同じ気持ちだよ。龍くんとなら、どんなこともにも負けない。私たちをどうにか出来る人なんて、ものなんて、ないから」
にこりと微笑むに頷き、龍之介はそっと口付ける。
「「だから」」
「目の前でいちゃつかれると困るって何回言ったらわかるの?」
「飯食ったらお前らさっさと部屋戻れ部屋」
「上?」
「んち」
上を指さす龍之介に首を振り、横を指さす楽。
小さく笑いながら、は龍之介を見上げる。
「龍くん」
「ん?」
「二人でいちゃいちゃも良いけど、今日は大好きなお兄ちゃんたちに囲まれてたい。…ダメ?」
途端、TRIGGER三人に衝撃波が命中。
のお兄ちゃん発言に加え、甘やかせと申すお姫様が可愛くて仕方ないようで、三人揃って口を覆い、ゆっくりと頭を机に落とす。