君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第158章 158
悲し気に問いかける楽にくすくす笑いながら、龍之介はの顎を軽く掴んで口付ける。
「明日、迎えに行くからね」
「ん。ありがと。わがまま言ってごめんね」
「わがままの内に入らないよ。迎えに来てって言ってくれて嬉しかった」
にこりと微笑み頷き、龍之介がの頭をそっと撫でれば、何のスイッチを押されたのか、ふわりとは欠伸をする。
「眠くなってきた?」
「うん…抱っこー」
「はいはい」
もぞもぞと動き、龍之介の足に跨るように抱き着けば、そのまま龍之介の胸に体を預け目を閉じる。
龍之介がの身体にブランケットを掛ければ、天と楽の方からじーっとした視線を感じる。
「…ん?」
「「羨ましい」」
「疲れたら即代わってやるからな、龍」
「起きて目の前に楽がいたらびっくりするでしょ。僕が代わるよ、龍」
「天がいてもびっくりすると思うけど…。でも、俺疲れないから大丈夫だよ。ありがとう、二人とも」
礼を言ってはいるものの、渡す気はさらさらないらしい。
そっとブランケットの上からの背を撫でながらテレビをつける。
「てか、もう寝てんのか?」
「寝てると思うよ。眠い時はすぐ寝ちゃうから」
龍之介の言葉にを見てみれば、確かにすやすやと心地よさそうな寝息が聞こえてくる。
爆睡だ。
「…寝顔ですら可愛いのかよ」
「可愛くない時なんてないでしょ、なんだから」
「天も、の事大好きだよね」
「うん、純粋に可愛いし、好きだよ。龍とは違う好きだとは思ってるけど」
ただひたすら、幸せであって欲しい、笑顔であって欲しい。
それが出来るのは自分でなくていいけれど、ただただ幸福であって欲しい。
弟の陸へと同じような愛しい気持ちなのだと天は言う。
「ブラコンに合わせて、シスコンにもなっちまったか?」
「ブラコンでは無いけど、シスコンはあるかもね。でも理への気持ちともまた違うけど…」
幸せそうな顔で笑っているのを見るだけで満たされる。
そんなが、可愛くて仕方ない。
「楽は違うの?」
「俺は兄妹いねぇから、天の気持ちもわかるようでいまいちわかり切れねぇな。龍のに対する気持ちに近い気もするけど…違う気もするしな」